SUSHIじゃないJAPANの備忘録

私の人生で衝撃を受けたお話をします。みなさんの生活のちょっとした楽しみになれば幸いです。

読書好きの少女だった私へ③

家に帰ると新品の靴で両足が靴擦れしていた。
白い靴下なんて履かなければよかった。


服を着替え、そのままベッドに倒れこんだ。
本日の戦利品の小説を開き、まだこの世に存在していない世界を自分の脳内で展開した。

 


幼いころ、本が大好きだった。
本を読みすぎて目が悪くなった。
そのせいで小学2年生の頃から眼鏡だ。
そんな小学生の頃は2年間図書委員を務めた。
どこに何の本があるかすべて把握していたし、
図書館にある本は読みつくした。


特に好きだった本棚。
第一図書館の一番右奥、中庭が見える窓のすぐ隣の本棚。
海外のファンタジー小説がたくさん置いてあった。
ここに置いてある本はどれも分厚く、大人になれたような気がした。


シリーズ物のファンタジー小説を開く瞬間がたまらなく好きだった。
またこの世界に帰ってこられた。
そこには確かに自分の生活するリアリティとは別に自分の生きる世界があった。
登場人物との再会は嬉しく、そこで繰り広げられる景色も懐かしく思えた。
本の中では私は何にだってなれた。


だからこそシリーズの完結は悲しかった。
一緒に冒険した登場人物たちとはもう会えない、卒業式の様な感覚。


そんな本の虫だった幼少期の感覚を思い出した。
いつから本をあまり読まなくなってしまったのだろう。
いつから参考書ばかり開くようになったのだろう。


ここまでがとある日曜日の実話。
時代が何度も行き来した。
少女だった頃の自分とすれ違ったかもしれない。
と、どこにでもありそうな小説風の文章を書きたくなったわけだ。

 

 

お題「ささやかな幸せ」

お題「リラックス法」

お題「気分転換」

お題「我が家の本棚」