SUSHIじゃないJAPANの備忘録

私の人生で衝撃を受けたお話をします。みなさんの生活のちょっとした楽しみになれば幸いです。

ロシア人美女の正体 後編

※この記事は後編です

 

littlegirlbigworld.hatenablog.com

 

一つにまとめた綺麗な長い黒髪。

ロングコートに黒いヒールのブーツ。

高身長で目鼻立ちのはっきりした美人の彼女は、見るからにお金持ちという雰囲気でした。

 

「大丈夫?どこに行きたいの?」

そう親し気に英語で話しかけてきた彼女に対し、私は戸惑いを隠せませんでした。

 

「もうわかったから大丈夫~」

などといいながら聞きたい気持ち半分、警戒心半分。

 

そんな私を見て彼女は、半ば強引に私のiphoneのMapをのぞき込みました。

「近いね、連れて行ってあげる。もう一度ホテルの名前を教えて。」

と言い、先導し始める彼女。

 

ついて行っていいものかと悩みながらも、

確かにその方向に目的地があったので少し距離を空けてついていくことに…

 

どんどん急な坂道を下っていきます。

 

その間に何やらロシア語でどこかに電話する彼女。

電話の相手は男性です。

 

(カツアゲに合うかも…いや、どこかに売り飛ばされる?)

と不安に思いつつ付いて行くと、どんどん暗い道に。

この先はたぶん行き止まり。

 

ピンチ。

 

と思っていると前から人がきました。

その人と何やらロシア語で話す彼女。

 

「ホテルの人が迎えに来てくれたよ。この人について行けばいいから。ホテルはもうそこよ。」

 

確かに、彼女の指さした先には目的地のホテルが。

Map上でも正しい位置を示しています。

 

さらに彼女は、ホテルの人に英語が通じないと知り、私たちの事情まで説明してくれていました。

 

「じゃあ用事があるから行くね。」

去ろうとする彼女に、何かお礼をとカバンの中にあった日本のお菓子を渡し、

この感謝の気持ちをできるだけ伝えたいと必死になっていると、彼女は

 

「インスタ持ってる?フォローしてよ。オススメのお店とか教えるし、困ったことがあったら連絡して。」

 

とインスタグラムのアカウントまで教えてくれました。

 

「旅行楽しんでね~」

颯爽と去るお姉さま。

今まで私たちが下ってきた急な坂道を登っていきます。

 

彼女は用事があるにもかかわらず、自分の目的地とは全く違う方向にあるホテルまでわざわざ送ってくれたのです。

 

彼女のインスタグラムアカウントを改めて見てみると、どうやら彼女はモデルで、

自分で事業もしている方のようでした。

 

その後もロシア滞在中は何度か連絡を取り合い、素敵なバーやレストランをたくさん教えてもらいました。

 

あの時少しでも彼女を疑った私を恥ずかしく思います。

 

私も彼女の様に、自分の足で立ち、自信に満ち溢れ。他人にまで気を配れる、そんな余裕のある女性になりたいと切に思います。

 

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お題「ささやかな幸せ」